ニーズとウオンツを引き上げ、高く買ってもらう方法

こんにちは。

今日は、ニーズとウオンツを引き上げ、高く買ってもらう方法
についてお伝えしていきます。

まず、ニーズとウオンツについてなのですが、
明確な違いって分かりますでしょうか?

結局この二つの言葉は、マーケティングの書籍の中でも諸説があるようで、
明確に定義がされていないようです。

私もこの二つの違いについてよく分からなかったので、
色々と調べていたのですが、だいたい以下の4つの説がある事が分かりました。

1.ニーズは消費者が今必要としている顕在的な欲求
ウオンツは消費者がまだ気づいていない(見えない)潜在的な欲求
という説

2.ニーズは低次元の欲求
ウオンツは高い次元の欲求
とする説。
これは、マズローの欲求5段階説を用いて
生理的欲求、安全の欲求をニーズ
所属と愛の欲求、承認の欲求、自己実現の欲求をウオンツとする説です。
マズローの欲求5段階説では、下から順番に
生理的欲求→安全の欲求所属→愛の欲求→承認の欲求→自己実現の欲求
と人間を欲求をピラミッドで表現し、低次元の欲求が満たされた後、
順番に上の次元の欲求を満たしたくなるといわれています。
詳しくは人はなぜ商品やサービスを買うのか?の記事をご覧ください

3.ニーズは欠乏状態
ウオンツは欠乏状態を満足させる特定のモノ
とする説

これは、マーケティングの権威であるフィリップ・コトラー氏が唱えた説です。

コトラー氏の著書によると、

「人間の『ニーズ』とは、人間が感じる欠乏状態である」とし、『ウォンツ』については「欲求は、ニーズを満足させるものの名前で表される」

だそうです。

4.ニーズは、必要性
ウオンツは、欲求
とする説

私としては、4が一番分かりやすい説だと思っています。
今回は、この4の説を前提にお伝えしていきます。
まず、4の説に基づいて書かれた書籍がいくつかあり
その中でも私自信が特に、よく理解でき、腑に落ちた考え方をご紹介します。

参考図書 あなたの売上を300%アップするセールスレター革命より

「行動(購買や資料請求、問合せなど)は
ウォンツが引き金を引き
ニーズによって自己正当化する」

補足:自己正当化についてですが、

これは、消費者が購買行動を起こしたとき
自身の購買行動を正当化する心理が働くという事です。

例えば、あるブランドの車を購入した後では、
 購入前よりもこのブランドの車のCMを、
よりじっくりと見てしまうことがあります。

また、何かを買う時に「家族のため」という大義名分をつくり、
自分自身を説得する、または説得される
という事に使われます。

別の言い方をすると、自分への言い訳です。

また書籍には、このようにも書かれています。
「ウォンツは楽しいが
ニーズは楽しくない」

いかがでしょうか?

なんとなく分かりましたでしょうか。

さらに説明しますと…

「ニーズとウォンツの違いは社会的認知を受けているかどうか
ニーズは自分が抱える心配や不安の解消を正当化する社会的な理由
お客は感情だけでは買わない。必ず自分の行為を正当化させる」

「ニーズは頭で納得できなければならない。」

「ウォンツは欲しくて欲しくてたまらない!という動機」
(引用終了)

ニーズは、本音を言えば特に欲しいとは思わないが、
必要に迫られて購入しないといけないという動機
と言えます。

例えば、
ヨーロッパに旅行に行きたい→ウオンツ
ロールスロイスで横に美女を乗せてドライブしたい→ウオンツ
歯が痛くて仕方がない、なんとかしたい→ニーズ
台所の水が止まらない→ニーズ

言い換えれば、
ニーズとは、理性型
(本当は欲しくないが、客観的に自分にとっても家族や周りの人にとっての必要なのでしかたなく買う)
ウオンツとは、感情型
(必要性はないけども、自分のわがままな欲望を満たしたい、何がなんでも手に入れたいという欲求。どうしても欲しいものには、人はお金をかけても手に入れようとします。)

と言えます。

では、コンプレックスを解消したいという欲求はどちらになるでしょう?
必要性があるということで、ニーズ型商品といえるかもしれませんが、
それよりも、コンプレックスを解消する事で、その後の人生に対する影響が大きく、
理性よりも感情の度合いが大き事を考えると、ニーズとウオンツを兼ねた商品という方がふさわしいでしょう。

コンプレックスの他にも、なんらかの体の痛み、人間関係、お金、趣味、仕事の悩み。不安に訴える商品は、よく売れます。

なぜなら、何かを得たいという欲求よりも
苦しみや不安から逃れたいのいう欲求の方が強く、
痛みや苦痛の度合いと緊急性が強ければ強いほど、
それを解決するための商品に、人はいくらでもお金を払う傾向にあるからです。

高くても売りやすいのは、ニーズとウオンツの両方のある商品

例えばアンチエイジングの化粧品や
肌トラブルの人のための薬用化粧品はなぜ、高くても売れるのかと言うと
ニーズとウオンツの両方を兼ねているからなんですね。

自分の容姿を何とかしたい、衰えをカバーしたい→ニーズ
どんな化粧品を使っても肌が荒れて化粧が出来ない。肌に問題なく化粧をしたい→ニーズ
もっと若々しく美しくありたい、みんなから愛されたい→ウオンツ
これらの両方の問題を欲求を満たす事が出来るので、高額でも商品が売れるのです。

もちろんニーズ単体、ウオンツ単体でもその欲求の度合いが強ければ売れますし、
両方の要素があれば売れます。

ニーズ型商品であれば、ウオンツの要素を取り入れる
ウオンツ型商品であれば、ニーズの要素を取り入れる
ことで格段に売れやすくなります。

例えば、ウオンツ型商品の代表ともいえるスポーツカーですが、
ニーズ(必要性)の要素として、緊急性(キャンペーン価格)、限定性(●台までしか製造していないレア商品)等の訴求を行なうことで
購買を促進させる事が考えられます。

来年2014年4月から消費税増税が決まりましたが、それまでに駆け込み需要(特に高額な商品 )があるといわれていますが、これも商品の後押しをするニーズの要素と言えます。

ニーズ型商品は、例えばハミガキ粉であれば、
歯を白くする、虫歯を防ぐという機能の他に、
何か体にいい成分や美容液を添加することで、
歯を磨く度に粘膜から成分が浸透して
“美しく健康になるハミガキ”というウオンツ型商品にすることも考えられます。
また、おまけ(オファー)として虫歯を防ぐタブレットや、
歯に関する健康冊子を特典として付ける事なども考えられます。

また例えば悪いのですが、
何年も前に聞いた話なので今もやっているのか分かりませんが、
ある歯医者さんが患者獲得のためにかわいい歯科助手を採用し、
制服のスカートを極端に短くする事で
寝ている患者がそれに釘付けになり、それが話題を呼び
行列ができるようになった。
というのを聞いた事があります。

この場合、「歯を治療して今スグ痛みを取り除きたい」というのがニーズ
「ミニスカの歯科助手を見てみたい!」
というのがウオンツですね。

図にすると…

ニーズもウオンツも低い場合はどうしたらいいのか?

この場合は、まず
なぜニーズもウオンツも低いのか?
を考えなければなりません。

考えられるのは、
●認知度が低い
●商品の強み、魅力が伝わらない
という伝え方の問題か
●ターゲット設定が間違っている
●市場のセグメントが間違っている
という戦略の問題か
●そもそも誰も欲しいと思わない
などが考えられます。

商品の魅力が伝わらなければ、当然売れるものも売れません。

商品の魅力を高めるという事は、
商品の価値(ベネフィト)をターゲット層に認めてもらう事です。

そのためには、徹底して商品の価値(ベネフィト)を分かりやすく
徹底して伝える必要があります。
また、攻めるべき市場やターゲット設定を間違っていたら
どれだけ頑張っても売る事が出来ません。

これらの問題を解決するためには、まず再度戦略を再考する必要があります。
方法としては、
1.再度戦略を定める
→どの市場のセグメントに打ち出すのか?
→ターゲット層を再度検討する
→魅力的な商品コンセプトに仕上げる

2.商品の価値(ベネフィット)を規定する。
機能的ベネフィット(使いやすさ、性能、色、形、味などの機能)
情緒的ベネフィット(楽しい気分になれる、幸せな気分になれるなど)
精神的ベネフィット(社会的信用が得られる、自分らしさを表現できる、他人と比べて優越感に浸れるなど)

3.そのターゲット層のニーズとウオンツに焦点を当て、
プロモーションを行なう

という方法が考えられます。

また、そもそも誰も欲しいと思わない場合は、
再度商品を作り直すか、売るのをやめるか
見極める必要があります。

いかがでしたでしょうか?
本当の事をいえば、ニーズもウオンツも、そんなに明確に定義する必要はないかなと思います。
大事なのは、そこではなく、どうやったらお客さんに喜んで買ってもらえるか?
ですので、ツールの1つとして見て頂ければと思います。

最後に、私が読んだ本の中で、ニーズとウオンツに関して分かりやすく説明している
お薦めの書籍をご紹介します。

あなたの売上を300%アップするセールスレター革命
著者は、元々営業のプロですので、独自のマーケティング理論も実践の裏付けがあり非常に勉強になる一冊です。

買う気にさせるメッセージマーケティング(山下貴史著 明日香出版)
買う気にさせるメッセージマーケティング (アスカビジネス)
売るためのメッセージの作り方を網羅的に分かりやすく解説している本です。
売れるコピーをマーケティングの理論にのっとって作成するのに非常に役に立つと思います。

60分間企業ダントツ化プロジェクト 神田昌典著 ダイヤモンド社
60分間・企業ダントツ化プロジェクト 顧客感情をベースにした戦略構築法

私がマーケティングの分野に非常に興味を持ったキッカケとなる1冊です。
、「商品」「顧客」「競合」「収益シミュレーション」「タイミング」「メッセージ」の6つの要素から構成される「スター戦略構築法」と呼ばれる独自の戦略手法が解説されています。
いつ読み返しても新たな発見があります。マーケティングに関わる方や、中小企業の経営者の方、個人事業主の方にも非常にお薦めです。

ご参考まで。

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