江戸商人に学ぶビジネス【三方良し】

江戸の商人に学ぶシリーズ第二段
今回は近江商人の商売の指針「三方良し」についてお伝えしようと思います。

ビジネス雑誌などでもたまに出てくる言葉なので、
知っておられる方が多いと思いますが、知らない方のためにも説明しますと
三方良しとは、
「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」
の三方が満足を得るということ。

WIN WINという言葉はビジネスにおいて交渉や提携する際などで、
良く使われている言葉ですが、
三方良しは、三方が満足を得るWIN WIN WINのトリプルWINの考え。

近江商人はこの「売り手」「買い手」「世間」の3つの内、どれが欠けても商売は上手くいかないという戒めのため、商売の指針としました。

三方良しの「良し」は金銭面と精神面も含まれます。
ちなみに世間良しとは、社会を良くする、社会のために貢献するという事。
今で言うところのCSR(企業の社会的責任)です。

CSR 英語:corporate social responsibility、略称:CSR)
企業の社会的責任(きぎょうのしゃかいてきせきにん、英語:corporate social responsibility、略称:CSR)とは、企業が利益を追求するだけでなく、組織活動が社会へ与える影響に責任をもち、あらゆるステークホルダー(利害関係者:消費者、投資家等、及び社会全体)からの要求に対して適切な意思決定をすることを指す。 日本では利益を目的としない慈善事業(いわゆる寄付、フィランソロピー、メセナ)と誤解・誤訳されることもある。
(Wikipediaより抜粋)

今でこそCSRの重要性が高まっていますが、
CSRの考えをさかのぼること数百年前に三方良しという考えが確立されていたという事と、日本の商人の高い倫理観と志に驚きました。

翻って、現在の日本を見てみると近江商人のような高い理想と志を持つ企業はどれくらいあるのでしょう?

建前では社会のためと言いつつ、環境や人体に空く栄養を及ぼす商品を粗製濫造しているような大企業が数多くあります。CSRはそれを隠すか、中和するためのPRの一環としか考えられていないような企業もあります。

やはり商売を永続的に繁栄させようと思えば、売り上げを上げることはもちろんのこと、
同時に多くの人の役に立つ、世の中を良くし、信用を築き上げるという事が必要不可欠なんだと改めて感じた次第です。

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