欲しい人と買いたい人は別

マーケティングにおいては、商品やサービスを投入するために
市場をセグメントし、その市場の中のニーズ、ウォンツの度合い、需要がどれくらいあるのかを調査する必要があります。

今日はこの中の需要を探る為に必要なお話をさせて頂きます。

セグメント化された市場の需要を探るには、ある商品サービスを欲しいと思っている人だけではなく、
買う気があって購入するお金を持っている人(支払い能力がある人)がどれだけいるのか?を調べないと行けません。

例えば、BMW、ベンツ、ロールスロイス、ポルシェ…といった高級車に憧れがあって、欲しいと思っている人が数多くいても、
実際に購入する人は、それを購入できる支払い能力のある人だけです。

別のたとえで私自身の話をします。
私はかつて20代前半の頃、土木作業員として働いていました。
そのときの会社の社員はみな「飲む打つ買う」の三拍子揃った、まさに「宵越しの金は持たねぇ」主義の人間ばかりで、
私もご多分に漏れず、そんな環境に影響されていました。

私の場合は打つ(ギャンブル)は大嫌いだったので、一切しませんでしたが、
飲む・買うには相当入れ込みました。21歳の頃はフィリピンパブに入り浸っておりました。
それくらいしか楽しみがなかったのです。

ちなみに、その頃の憧れといえば、大阪の北新地にある”
座っただけで何万円”もする高級クラブに行く事だったんですね。

しかし、実際は、一度も行きませんでした。
なぜ行かなかったのかと言うと、要するに「金」がなかったのです。

何が言いたいのかと言うと、
商品やサービスの「価格」と「支払い能力」の相関によって「需要」が把握できるということ。
つまり、支払い能力があってはじめて、需要が生まれるのです。

北新地に行きたいという欲求はあっても、実際に行かなかった私や
高級車が欲しいと思っても、買わない人達

実際に、北新地で豪遊している人や高級車を乗り回している人達は全く別の属性
ということです。

別の言い方をすれば、
欲求が合っても買わなかった人達→潜在市場
欲求があり、実際に購入した人達→顕在市場
という見方も出来ます。

「あたりまえのことをもったいぶって話すなよ!」
と言われるかもしれませんね。

でも、この
欲求があっても買わなかった人達→潜在市場と
欲求があり、実際に購入した人達→顕在市場
を把握せず失敗した例があります。
他ならぬ私の話です。

かつて女性をターゲットにした健康食品の広告を制作した事があるのですが、
制作に際して、その市場に興味がある、欲しいと言っている女性数人にヒアリングし
広告を作成しました。そして欲しいと言ってた人にも
「これでバンバン売れるだろう」
と思っていたのですが、さんざんな結果に終わりました。

しかし、さんざんな結果ながらも僅かに商品を購入している人に直接ヒアリングをする機会があり、
色々と聞いてみたら、欲しい・興味があると言っていた人達とは違う意見が伺えたのです。

作成した広告は、ほしいと思っている人からいろいろ意見を聞いて作成したにもかかわらず、
購入した人によるとその訴求ポイントは、あまり重要視していないということでした。

つまり
欲しい興味があると言っていた人が実際購入するわけではない
購入する人の考えはまた別

ということがわかりました。

やはり、ヒアリングするなら実際に購入している人から意見を聞かないと
結果的にずれたマーケティングを行なうことになってしまう。
という事が分かりました。

まとめ

いかがでしたでしょうか
考えてみたら当たり前かもしれませんが、
顕在市場と潜在市場を把握せずマーケティングをすると、
失敗するというお話でした。

以上ここまで。

本日もお読み戴き有り難うございました。
ではまた。

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