【ドアインザフェイステクニック】私が女性営業マンからのオーダーを断れなかった理由とは?

こんにちは。
前回フットインザドアテクニックについてお話ししましたが、
今回それとは真逆のドアインザフェイステクニックについてお話しします。

ドアインザフェイステクニックとは?

はじめに断られてもいいような大きな頼み事をして、断られてから
小さい頼み事(本来の目的)を受け入れてもらうテクニックの事。

わかりやすく具体例をお話ししましょう。

具体例

あなたが、友人からお金を借りるときを想像してみてください。

あなた 「すまんけど、ちょっと入り用があってな。10万円ほど貸して!」
友人  「10万円?何を言うとるねん無理ムリ!そんな貸す金あったら苦労せんわ!]
あなた 「わかった!じゃあ、せめて1万円だけでもええから貸してくれ!なんとか頼むわ」
友人  「1万円やったらなんとか貸せるけど、ちゃんと返してや!」
あなた  「ありがとう!」

こんな感じで、はじめに大きな頼み事をして断られることで、
こちらが譲歩する形になっています。

相手は、はじめの頼み事を断った事で多少の罪悪感を感じています。
その後に、こちら側が頼み事を小さくすると、相手側からするとこちらが譲歩したように見えてしまいます。

ビジネスの現場でも値段の交渉等でもよく使われます。

「仕入れ価格を○○円にしていただけませんか?」
「いやちょっとそこまで、安くしたら赤字になってしまいますので、ムリですね。」
「では、せめて○○円下げていただけないでしょうか」
「そうですね。それなら問題ありません」

実際には、もっと複雑な交渉になる事が大半ですが
一応例として挙げました。

他には、大きい買い物をした後に
追加で金額の小さいものをすすめられることがあります。
たとえば洋服店でスーツを購入した後に、
「ご一緒にネクタイもいかがですか」
と勧められ、ついでに購入したり
車を購入した時に、オプションとしてカーナビなどを勧められ、
一緒に購入するというケースもよくあると思います。

なぜこのようなことが起こるかと言うと、
まず高額な商品を購入した後に、比較的小さい価格の商品を勧められた場合
小さい商品の価格を大きい商品と比較してしまい、かなり安く感じてしまう
事が挙げられます。

ちなみに、お客様との長期的な関係をつくるうえでは
今回のドアインザフェイステクニックよりは、前回お話ししましたフットインザドアテクニックで小さい頼み事を聞いてもらって徐々に信頼の度合いを上げていく方が向いているかと思います

参考まで私の過去の事例についてお伝えします

【事例】私が新人女性営業マンの提案を断れなかった理由

あれは8年歩と前のこと。

その日は事務所には私一人が黙々とパソコンに向かい、キーボードをカタカタ打つ音が響いていました。

「今日は徹夜かもしれん…」

このころは、今務めている会社の立ち上げの頃で、私は立ち上げメンバーの一人で、月の半分くらいは事務所で寝泊まりをしていました。

そこに「コンコン」とドアをノックする音が聞こえたので、
パソコンを打ちながら「はい」と答える間もなく、
ガチャっとドアを開けずかずか入ってくる足音が…

パソコンから視線を外し、振り返ってみると、私のいる机のすぐ後ろに、リクルートスーツを着た新人営業マンらしき初々しく美しい女性の姿がありました。

黒くて長い髪を後ろで束ね、すらっとしたプロポーション。

顔は卵型で大胆不敵な笑みを浮かべています。

「お忙しいところすみません。株式会社○○と言います。今ご挨拶を兼ねてこの辺を一軒一軒回っておりまして、お時間30秒ほどよろしいでしょうか?」

「はぁ。いいですけど。なんですか」

「弊社はおもちゃの企画開発をしておりまして、
このようなものを作っております!」
というと黒いカバンの中から弁当箱ほどの大きさの車のおもちゃを取り出し、
「このようなものを作っています。価格は3万円。買いませんか?」
などといっておもちゃの車のタイヤの部分をガーっと手で回してパフォーマンスしています。

「いや、買いませんかって、キミぃ、そんなもん3万も出して買うわけないやろ!」

「はぁ、そうですか。あ。ちなみにこのようなものも販売しているのですが…」

とまた大きい黒いカバンの中から何か取り出しました。

なんとA3サイズ以上かるかというような、ドでかい電卓が…。

「なにこれ?」

「見ての通り電卓です」

「見たらわかるがな。使えるの?」

「使えますよ。使えるかどうか確かめてみてください」

と手渡しされ、でっかい電卓をいじる私。

「へーおもろいなー。
こんなん初めて見たわー!
(これは催事販売で使ったら受けるかも…)
で、これなんぼ?」

「1000円です。」

「思ったより安いな…
よっしゃ。ほな俺がねぇちゃんの営業成績のために一つ買うたる!」

「ありがとうございまーす♡」

と、突然来た女性新人らしき営業マンに1000円を支払ってしまったのでした。

ここまでお読みの方はもう気付いているかもしれません。
私がなぜこの商品を買ったのかを。

女性が私のタイプだったから?

いや、それもほんの少しはあるかもしれませんが、
それが一番の動機ではありません。

まず、私にとってメリットがあると思ったから。

そのころ、お水や健康食品、牛乳アイスなどこだわりの商品を駅構内やスーパーの空きスペースなどで、催事販売の仕事を良くやっておりまして、お会計の時にそのでっかい電卓を使ったら受けるだろうなと思ったからです。

もう一つは、
女性の営業マンが、はじめにわざと断られるような商品にありえない価格(30000円)を提示して、
それを断ってから、本来の目的であるドでかい電卓(1000円)を提案してきました。
この時私は、思わず「安い」と感じてしまいました。

そう、この女性営業マンは、今回テーマである”ドアインザフェイステクニック”を使ったのです。

もしこの女性営業マンが独自の判断で行ったのならば、若くして販売心理をマスターしている可能性があります。
でもそんなことはないでしょう。
おそらく、会社でそのように指導していたのだと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回はドアインザフェイステクニックについてお伝えしました。

ドアインザフェイスとは、フットインザフェイスとは逆で、
最初に断られてもいい前提で大きな提案をし、その上で本当の目的である小さな提案を通す

PS.
私が購入したドでかい電卓ですが、
催事販売で使ったらお客さんが面白がってくれました。見た目のインパクトが強烈でしたので効果はありました。
ちなみに、取引先の方がえらく気に入って貸してほしいということで、貸したのですがいまだに戻ってきません。

今回もお読みいただきありがとうございました!
ではまた。

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