製品とはそもそも何か?
私たちの身の回りには無数の製品で溢れています。
なぜこれだけ多くの商品が存在するのかというと、
それだけ人々のニーズやウォンツがあるということ。
何気なく使っている製品にも様々な歴史やストーリー、世に出す為に無数の人たちが流した血と汗と涙が存在します。
今日は、日頃私たちが【あって当たり前のように感じている製品】を生み出した偉大なる先人達への感謝の意味も込めて、
「製品とはそもそも何なのか?」
についてお伝えしたいと思います。
近代マーケティングの大家であるフィリップ・コトラーによると、商品とは
「人々のニーズや欲求を満たすために市場に提供されるもの」
とされています。
マーケティング関連の本にはよく
【人はドリルがほしいのではなく、穴がほしいのだ】
という話が書かれているのをあなたも読んだことがあるかと思います。
これは、要するに
【人は商品そのものがほしいのではなく、
商品を手に入れることによって得られるベネフィットを欲している】
ということです。
ちなみに、コトラーによると製品は10のカテゴリーに分けられるといっています。
製品10のカテゴリー
1.有形財…食品、日用雑貨、機械、自動車、家電製品など
2.サービス…形がないもの。旅館ホテル、自動車整備、美容サロン、医療、弁
護士、コンサルティング、広告制作、WEB制作など
3.経験…客に何らかの体験をさせる。ディズニーランド
4.イベント…コンサート、演劇、オリンピック、芸術祭
5.人…芸能人タレント、文化人、スポーツ選手、特定分野のカリスマなど
6.場…観光地、特定の地域
7.資産…土地、金融資産、営業権など
8.組織…大学、美術館、非営利団体(NPO,NGO,社団法人、財団法人など)
9.情報…紙媒体やWEB上のコンテンツ
10.アイデア…ビジネスモデル、知的財産、発明、様々なアイデア
製品といえば、形あるものが思い浮かべてしまいがちですが、
これらのように無形のものも含め、多岐にわたります。
上記の世の中にある有形無形の製品には
すべてコンセプトがあります。
コンセプトといえば、なんだか小難しいようなイメージがあると思いますが
実はたった3つの要素で出来ているのです。
その3つの要素とは
●誰が?
●どのようなシーンで商品やサービスを使うと?
●どのような価値(ベネフィット)与えられるのか?
ひとつづつ説明しましょう。
●誰が?
ようするにターゲットのこと
誰にあなたの価値を受け入れてくれるのか、喜んでもらえるのか
分からなければ、ある特定の人をターゲットにしてもいい。
ターゲットの年齢層、職業、家族構成、
ターゲットの行動心理
ライフスタイル
価値観
悩みや痛み、不安、不満
を明らかにする
●どのようなシーンで商品やサービスを使うと?
いつ、どこで、どのようなシーンで商品やサービスを購入し、
いつ、どこで、どのようシーンで使うのか?
想定するターゲットが商品やサービスを利用する際のTPOを考える
T タイム
P プレイス場所
O オケージョン 機会、場面、どのように使うのか
をそれぞれ考える
●どのような価値(ベネフィット)与えられるのか?
機能的ベネフィット
情緒的ベネフィット
を考える
これら3つの要素を組み合わせて
最終的に一言で表されるのが、製品コンセプトとなります。
例:ウィダー in ゼリー
●ターゲット
朝食を食べないビジネスパーソン
忙しくて食事が不規則なビジネスパーソン
●オケージョン
コンビニで
朝起きたとき
出勤時、デスクで
●ベネフィット
ご飯一杯分の栄養が手軽にとれる
腹持ちがよく、ほどよい触感が楽しめる
●コンセプト
朝食をゼリー飲料でとる習慣
10秒飯
例:ヤマハ発電機 PAS
●ターゲット
坂の多い地域に住んでいる人
足の負担なく自転車に乗りたい人
●オケージョン
買い物や近所の移動
●ベネフィット
ペダルを無見込まなくても走行できる
上り坂も負担なく走行できる
●コンセプト
あなたのこぐ力をアシストする自転車
(末吉孝生著 マーケッターの仕事術より抜粋)
3つの要素が明確になれば、コンセプトができますが、
具体的なマーケティングの方向性も決まります。
ターゲットが明確になれば
商品の形、大きさ、デザイン、機能
パッケージ
価格
広告媒体
などが決まります。
オケージョンが明確になれば
売り場、
陳列方法などが決まります。
ベネフィットが明確になれば
キャッチコピー他広告表現
パッケージの表現
などが決まります。
つまりマーケティングの4P
(プロダクト、プライス、プレイス、プロモーション)の具体的な方向性が定まります。
そもそもコンセプトがなければ、
製品として形に表したり、それをマーケティングに展開することができません。
あなたの身の回りにあり、普段何気なく使っている製品がどんなコンセプトで出来ているのか?
どのようなマーケティングで世の中に展開されているのか?
などと思いめぐらすのも、非常に思考のトレーニングになると思います。
別に正解とか不正解とかはないので、そうやって普段から、色々と考えておくことで、
会社で商品開発の仕事に携わった時やご自身の商売で、何か新しく販売するときの参考になるかと思います。
まとめ
●製品とは「人々のニーズや欲求を満たすために市場に提供されるもの」
●コトラーによると製品は10のカテゴリーに分けられる
1.有形財
2.サービス
3.経験
4.イベント
5.人
6.場
7.資産
8.組織
9.情報
10.アイデア
●製品のコンセプトは
ターゲット、オケージョン、ベネフィット
の3つの要素でできている。
この3つの要素が明確になれば、マーケティングの4Pの方向性も定まる。
以上ここまで。
本日もお読みいただきありがとうございました。
ではまた。